幸せの理由

グレッグ・イーガンの中短編小説を編集した『幸せの理由』を読み終わった。
容赦なくコンピュータ、医学、化(科)学の用語、造語が出てきて
ちょっと読みにくそうな印象を受けるけど、そんな事気にしなくても楽しめた。
もっとそのスジに造詣が深ければ120%楽しめたんだろうケド…


表題になってる『幸せの理由』は、主人公の脳内物質の過剰分泌や、感情をつかさどる脳細胞の死滅
また人工的な物質の補完による感情の復帰、そして幸せの理由の選択する技術という流れを追うことで
人の感情生活を恐ろしく掘り下げ、再思考、再構築させる珠玉の作品だと思う。


あとがきの哲学小説と言えるかもしれない…、というのには同感。